医療法人聖峰会 聖峰会マリン病院|福岡市西区小戸|救急告示・労災指定病院
DWIBS (全身がん)ドックについて
DWIBS (全身がん)ドックについて
DWIBS(Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression)**は、MRI装置を使ってがんやがんの転移を調べるための撮像法です。
この検査は、体内の水分子の動きを観察し、細胞密度が高く水分子の動きが鈍くなっている部分を検出して画像化します。
DWIBS(ドゥイブス)の特徴
全身のがん検査にも対応している点が注目されておりPET-CTに置き換わる検査として注目されています。
検査時間を短くしたい方、被曝を避けたい方、血糖値が高い方にとくにおすすめです。
PET-CTと比べて被曝がなく、安価で検査を受けることもメリットの1つであります。


DWIBSとPET-CTの比較
DWIBS | PET-CT | |
---|---|---|
注射 | なし | 検査薬を静脈注射 |
食事制限 | なし※ | 検査前絶食やインスリン制限 |
X線によるダメージ | なし | 注射薬と放射線の2重被ばく |
検査時間 | 約30分 | 注射を含め約3時間 |
検査後処置 | なし | 放射能が下がるまで待機 |
糖尿病患者 | 検査可 | 検査できない場合がある |
※腹部臓器の検査精度を向上させるために食事制限をお願いすることがあります。
DWIBSとPET-CTのがん診断比較表
がん死亡順位 | DWIBS | PET-CT | |
---|---|---|---|
1 | 肺 | ○ | ◎ |
2 | 大腸 | ◎ | ◎ |
3 | 胃 | △ | △ |
4 | 膵臓 | ◎ | ◎ |
5 | 肝臓 | ◎ | ○ |
6 | 胆嚢 胆管 | ◎ | △ |
7 | 乳房 | ◎ | ◎ |
8 | 悪性リンパ腫 | ◎ | ◎ |
9 | 前立腺 | ◎ | ○ |
10 | 食道 | ○ | △ |
11 | 白血病 | × | × |
12 | 膀胱 | ◎ | × |
DWIBS(ドゥイブス)のメリット
- PET-CTと同等の精度
- 費用がPET-CTより安価
- 薬剤投与(注射)がない
- 放射線被曝がない
- 検査時間が比較的短く30分〜1時間程度
- 検査前の食事制限がない(医療施設による)
- 糖尿病や腎機能が悪い方でも検査可能
- 被曝のリスクがないので短い期間でも繰り返し受けることができる
- PET-CTが苦手とする尿路系(腎臓、尿管、膀胱)がんの発見に適している
一方、DWIBS(ドゥイブス)のデメリットとして、MRIの注意事項に準じた制限がある、受診できる医療施設が限られているなどが挙げられます。
DWIBS(ドゥイブス)のデメリット
- MRI装置を用いるため、ペースメーカーなどの体内金属があると検査不可の場合がある。
また、最近注目されてきた検査の為、受けられる医療施設が限られている - DWIBS(ドゥイブス)で発見された病変がすべてがんというわけではない
(炎症なども検出するため、他の検査結果と総合してがんか否かを判断する必要あり) - DWIBS(ドゥイブス)のがん発見率は?
PET-CTどちらもすべてのがんを発見できるわけではない - DWIBS(ドゥイブス)とPET-CTは、どちらも一度にほぼ全身のがんの検索ができますが、先述の比較表にあるように、それぞれ検査によって見つかりやすいがんと見つかりにくいがんがあります。
- DWIBS(ドゥイブス)は、PET-CTが苦手とする尿路系(前立腺、膀胱、尿管など)のがんや、子宮がんや卵巣がん、多発性骨肉腫(骨髄がん)などの検出に有用とされています。
- 一方で、肺や胃などのがんは見つけにくいとされています。また、正常なリンパ節や炎症している部位などがん以外の異常も検出するため、異常が見られた場合はがんかどうかを詳しく調べる検査が必要になります。
- DWIBS(ドゥイブス)は比較的新しい検査法であるため、DWIBS(ドゥイブス)とPET−CTを比較した場合、がんに対する「診断能力に大きな差異はない可能性が高い」とする報告があります。また、2020年には前立腺がんの骨転移を調べる検査として保険診療の対象となったほか、ヨーロッパでは骨髄がんを調べる際に最初に行う検査として認定されています。
子宮体がんや卵巣がんなどの転移を調べる検査としても、造影剤を使用したCTと比較し遜色ない結果が得られたとの報告もあり、有用性が評価されてきています。 - 医療施設の設備や体制等が整いDWIBS(ドゥイブス)が一般により広まれば、がん検診としての有用性が期待されますが、前述のようにすべてのがんが見つかるわけないため、DWIBS(ドゥイブス)さえ受けていれば安心とは言い切れません。自治体が実施するがん検診や企業の健康診断に付帯するがん検診も欠かさずに受けましょう。また、肺がんは胸部CT、胃がん、大腸がんは内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査といったように、MRI以外で部位ごとに適した検査を組み合わせることが、がんの発見精度の向上につながります。
当院ではDWIBS(ドゥイブス)ドックの受診が可能です。ご予約の流れはこちらをご覧ください。
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